「ヒルドイド」は危険?! 美容目的はNG! メリット・デメリットを理解しよう!
「ヒルドイド※」が美容に効果ないって話、信じますか?
世間では、医薬品である「ヒルドイド」を美容目的で使用するおバカさんが大量発生しています。
「乾燥肌に良い」「美容に良い」という噂から、「保険を使えば高級美容クリームよりも安く手に入る」として、近年、病気でもない人が「ヒルドイド下さい」と言って皮膚科を訪れるケースが激増しています。
そして、健康保険を不正に利用しているとして、厚生労働省も乗り出す大問題となってしまいました。
正確な情報は定かではありませんが、美容に高い効果があるという噂がSNSなどで広がったことで、広く一般に知られるようになり今回の騒動に発展しました。
しかし、ヒルドイドは本来、皮膚科などで処方されるアトピーや肌荒れに悩む人のためのお薬です。
病気でもないのに、美容目的で、しかも保険を使って手に入れるなんてありえません。
といますか、これ、「違法」ですからね!!
処方する方にも問題がありますが…。
ひろ
良い大人が何をやってるの?って感じ。
このサイトを見ているあなたは絶対に真似しないで下さいね!
こういった流れを汲んでなのか、最近、ヒルドイドに含まれる有効成分「ヘパリン類似物質」を含む商品が、店頭やネットで販売されるようになりました。
つまり、「ヒルドイド」と同等の成分を含んだ商品を、医師の診断なしに買うことができるようになったのです。
しかし、ここで注意して欲しいことがあります。
今、超人気のヘパリン類似物質ですが、実は、美容面から考えると大きなメリットとデメリットがあります。
ヘパリン類似物質は、血液の流れを改善するので新陳代謝を活性化します。
そのため、皮膚科などで乾燥肌や手荒れ、アトピーなどの患者さんに処方されます。
しかし反面、「コラーゲンやエラスチンを生成する線維芽細胞の増殖を抑える働きがある」という報告もされているようです。
※線維芽細胞増殖抑制作用
組織癒着防止に関する実験で、線維芽細胞増殖の抑制を認めた。(ウサギ)
- 中安 国裕:東京慈恵会医科大学雑誌, 76(2), 494-518, 1961
- 間狩 孝:日本外科宝函, 28(9), 3757-3776, 1959
つまり、顔などに美容目的で使用する場合、乾燥は防げるかも知れませんが、肌の弾力成分であるコラーゲン、エラスチンがダメージを受ける可能性があるんです。
つまり、「シワが増える」リスクがあるということです。
よって、顔に塗るにはデメリットの方が大きくなる可能性があります。
そこで、ここではヘパリン類似物質の特性と、正しい使用法について説明していきます。
※ヒルドイドはマルホ株式会社の商標です。

ひよこ師匠
少し長めの見出しで申し訳ないです。
しかし、あなたに間違った情報を伝えるわけにはいかないんだ。
ヘパリン類似物質について細かく説明していくので、よく理解して使うようにしてね!
Contents
「ヘパリン類似物質」とは?
ヘパリン類似物質とは、人間の体内にある「ヘパリン※1」という物質に似た成分で、保湿や血行促進、抗炎症作用などの働きがあります。
肌荒れや、アトピーの患者さんに処方されるお薬の成分として知られています。


ひよこ師匠
ヘパリン類似物質の3つの効果
ヘパリン類似物質には、大きくわけて以下の様な効果があります。
肌の保湿効果
肌の保湿成分と言えば、ヒアルロン酸が有名です。
ヒアルロン酸は、肌の奥深くまで浸透して保湿するため、乾燥肌にとても良い成分です。
しかし、ヘパリン類似物質は、ヒアルロン酸よりもさらに深いところまで浸透することができるので、非常に高い保湿効果が期待できます。
また、ヘパリン類似物質は水に非常に溶けやすいので、肌の角質までしっかりと届けることができます。
血行促進効果(代謝アップ)
ヘパリン類似物質には、ヘパリンと同じように固まった血液を溶かす働きがあるため、血液の流れを良くします。
血液の流れが良くなることで、隅々まで栄養が行き渡り新陳代謝が活性化されます。
その結果、肌の状態が良くなります。
また、血液の流れが良くなるので、しもやけなどにも処方されたりします。


ひろ
傷跡を消す
ヘパリン類似物質には、肌を治したり、綺麗にする働きもあります。
そのため、ケロイドや傷跡、肌荒れやニキビ跡を治すのに効果があります。
また、抗炎症作用がとてもに強いので、ニキビの治療や捻挫や打撲、挫傷などの筋肉痛、関節炎などにも処方されれるそうです。
ケガをして肌に傷ができたりすると、傷が治っていく時に肌が赤くなったり、盛り上がったりして傷あとが残ってしまうことがあります。
この症状を、「ケロイド」あるいは「瘢痕(はんこん)」と言います。
転んでひざをすりむいたりして肌に傷ができた時には、肌の材料となるコラーゲンが作られて傷口を埋めていきます。
しかしこの時、傷が酷かったりして治るのに時間がかかると、体は早く傷口を治そうとしてコラーゲンを余分に作り出してしまうことがあります。
この余分なコラーゲンが、肌の赤身や盛り上がりを引き起こしてしまい、ケロイドや瘢痕になると言われています。
この様なケロイドや瘢痕を、ヒルドイドクリームを使うことによって回避することができます。
ここまでが、「ヘパリン類似物質」の良い点です。
しかし、この「ケロイドを防ぐ」働きに注意が必要なのです。
この「ケロイドを防ぐ」働きは、見出しでも説明したが、ヘパリン類似物質の「コラーゲンやエラスチンを生成する線維芽細胞を抑制する働き」の結果なのです。
つまり、わかりやすく言えば、コラーゲンやエラスチンの生成を抑えてしまうのです。
この作用は、過剰なケロイドを抑えるためには有効かもしれませんが、そうでない肌に長期的に使用した場合、コラーゲンやエラスチンの生成を邪魔してしまう可能性があります。
その結果、肌が弾力を失ってしまい、最終的に深いシワや肌のたるみの原因になってしまうかも知れないのです。
そしてもうひとつ。
人間の体には、恒常性というものがあります。
恒常性とは、今の体の状態を維持しようという人間の体の働きのことです。
つまり、過剰に外から保湿成分を与え続けると、その状態に体が慣れてしまい、肌が自ら保湿成分を作ることをやめてしまう可能性があるのです。
また、ヘパリン類似物質は、皮膚の一番深い部分「基底層」まで浸透して新しい細胞が生まれるのを助けます。
この状態に慣れ過ぎてしまうと、自らの力で細胞を作れなくなってしまうかも知れません。
例えば、宇宙飛行士さんが宇宙から帰ってくると、地上に立つのもままならないほど筋力が衰えてしまいます。
これは、宇宙という「無重力空間」の「楽」な状態に体が慣れてしまったせいです。
人間の体は、一度「楽」を覚えてしまうと、今まで普通だったことも辛くてしんどいものになってしまうのです。
つまり、肌も「楽」を覚えてしまうと、その活動を停止してしまうため、肌の状態はかえって悪くなってしまいます。
そのため、ヘパリン類似物質を利用する場合、気になる症状が治まるまでの期間限定で使用する方が無難でしょう。
ヘパリン類似物質をどう利用する?
ここまでの説明で、ヘパリン類似物質には良い点と悪い点があることが理解できたと思います。
確かに注意すべき点はありますが、保湿、ターンオーバーサイクルの改善、抗炎症作などの良い点もたくさんあります。
そこで、ヘパリン類似物質を有効に利用する方法について考えてみたいと思います。


ひろ
利用目的を明確にする
ヘパリン類似物質は医薬品の成分です。
そのため、少なからず副作用があります。
しかしながら、その保湿効果や代謝アップの効果は素晴らしいものがあります。
そのため、極度の手荒れや乾燥、炎症などに悩まされているのであれば、ヘパリン類似物質の使用は非常に効果的です。
確かな効果、あるいは即効性を求めるなら、ヘパリン類似物質は非常にオススメできる成分です。
ひどい手荒れや極度の乾燥など、普通のハンドクリームで良くならない場合などに、その症状が改善するまでの期間に限定して、用法、用量を守って使用すれば良いでしょう。
長期使用は避ける
ヘパリン類似物質は、非常に優れた保湿効果、肌荒れ抑制効果があります。
しかしその反面、線維芽細胞の働きを抑制してしまうというデメリットもあります。
つまり、長期的に利用すれば、肌荒れは改善するかも知れませんが、コラーゲンやエラスチンが破壊され、シワだらけのたるんだお肌になってしまうかも知れないのです。
また、肌の生成機能が、ヘパリン類似物質に頼り切りになってしまい、自力での皮膚再生ができなくなる可能性もあります。
こうなると、ヘパリン類似物質がないと、肌の再生ができなくなってしまいます。
これは、極端な言い方をすれば、薬物中毒と同じことです。
そして、一度壊された線維芽細胞を復活させるのは至難の業です。
そのため、使用する期間を「気になる症状が改善するまで」と明確に決めて使用する方が無難です。


ひよこ師匠
それでもオススメするヘパリン類似物質はこれ!
ヘパリン類似物質にや良い点と悪い点があると説明してきました。
確かにリスクはありますが、うまく活用すれば、気になる手荒れや乾燥などを治すことができます。
ここでは、期間限定で使用するということを大前提として、ヘパリン類似物質入りの商品を紹介していきます。
NALC薬用ヘパリンハンドクリーム
この「NALC薬用ヘパリンハンドクリーム」は、その名の通り、ヘパリン類似物質を含んだハンドクリームです。
また、ヘパリン類似物質以外にも、薬用有効成分のグリチルリチン酸ジカリウムを配合しています。
手荒れ・しもやけ・ひび・あかぎれ・ニキビまでバッチリ防いでくれます。
グリチルリチン酸ジカリウムは、植物である甘草由来の成分で、私がオススメしている「キメテ薬用ホワイトニングナイトクリーム」に含まれる有効成分「グリチルレチン酸ステアリル」と同じものです。


ひよこ師匠


- “高保湿"なのに"ベタつかない"!! ヘパリンの力で相反する2つを両立させることに成功!
- 持ち歩きたくなるデザイン ! コンパクトな大きさで、持ち運びたくなるシンプルなデザイン。
- .体にも顔にも使用できる! 保湿が足りないと感じた時に、いつでも全身を保湿できます。
- お肌に優しい3つのフリー ! アルコールフリー、無着色、無香料!



NALC薬用ヘパリンミルクローション


この「NALCヘパリンミルクローション」は、先に紹介した「NALC薬用ヘパリンハンドクリーム」のミルクローションバージョンです。
ローションタイプなので、伸びがよく、全身に使うことができます。


- ノビが良いから、全身に塗りやすい 。乳液タイプでストレスフリー!
- 顔用の乳液としても最適!
- ニキビも徹底的に防ぐ!
- 肌荒れ、しもやけ、ひびも防ぐ!
- お肌に優しい4つのフリー! アルコールフリー、無着色、無香料、無鉱物油
こちらの商品も、基本的には「NALC薬用ヘパリンハンドクリーム」と同じ効果が得られます。
そのため、メリットとデメリットも同じになります。
症状が改善したら、使用を中止する方が良いと思います。
ヒルドイド まとめ
これまでの説明で、ヘパリン類似物質には大きなメリットと、それと同じくらい大きなデメリットがあることが理解できたと思います。
しかし、他のサイトや商品ページには、このようなリスクについては一切説明されていません。
「医薬品」あるいは「医薬部外品」には、多かれ少なかれ副作用があります。
商品ページや情報サイトの説明を鵜呑みにするのではなく、自分でも色々と情報を集める努力が必要です。
しかしながら、ヘパリン類似物質には、非常に高い保湿力と血行促進作用、傷の修復など、使い方を間違えなければ非常に優れた成分でもあります。
ヘパリン類似物質は、自分のお肌のトラブルが改善するまでという期間限定であれば、非常に有効な手段のひとつであると言えます。
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